Monday, June 04, 2007

三国同盟発足/Janus glares.

2日、日米豪三国の軍事大臣がシンガポールで初会合し、事実上、三国軍事同盟が発足した。
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(写真はAP=共同)

米国主導の三国軍事同盟は、ハワード首相が今年3月に来日した時「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名し、できあがっていたが、担当の軍事大臣がそろい踏みするのは初めてだ。日本は戦後、米国以外とは軍事同盟は結んでなかったが、「防衛省」への格上げを機に、集団軍事化への動きは一気に加速しそうだ。

すでにサマワなどで日豪軍は一緒に戦っているが、これからも演習などを通し、現場におけるインターオペラビリティ(相互運用性)を高める作業が進むだろう。武器や兵器の米軍規格への統一もどんどん進行する。「文民」レベルではこれまで、米日(2プラス2),米豪(AUSMIN)の間で個別に行われてきた定期軍事/外交閣僚協議が三国間で行われるようになるだろう。

日米間の(2プラス2)と同じ形式の定期協議は1985年以来,それまでのアンザス外務大臣会議からニュー・ジーランドを外した形で米豪間で行われており、2プラス2プラス2、もしくはJAUSMIN、まるでジャスミンのような三国間の集団的枠組みへ「発展」するのは簡単だ。もっとも、三国同盟と言っても上記の写真にも見られるように、あくまでも米国主導であることを忘れてはならない。

こうした日米安保の危険な変質については、すでに70年代から山川暁夫などがJANZUSジャンザスの可能性を指摘していたが、ニュー・ジーランドが核搭載船の入港をめぐり80年代に脱落、三国軍事同盟に落ち着いた。

いつだったか、自分でも迫り来る三国同盟について「万華鏡」に書いたような気がする。JANZUSからNZが抜けるとJAUSなんだけど、その記事では,確か,この同盟をJANUSと呼んだような気がする。

JANUSというのはローマ神話で出入り口とドアの神様であり、英語のジャニュアリー(1月)はここに由来する。いわば門番であり、2つの顔で前と後ろに目を光らせている。

さて、日米豪三国軍事同盟はどんな門の番をし、誰から門を守るために組まれたのだろうか。

銃を持たない市民は目を光らせないといけない。

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