Monday, August 14, 2006

成長の限界/limit of growth.

経済成長が安いアブラに依存していること、そしてアブラは有限な資源であり、やがて枯渇するものだということ、有限な地球環境のなかで無限な経済成長はあり得ない。それらのことをはっきり宣告されたのは1972年6月にローマで開かれた初めての地球環境会議のことでした。そして、この開催にあわせて出版されたのが、MIT工科大学のデニス・メドウズなどの手になる「成長の限界」という本でした。
それから30年以上を経て,「成長の限界」で予示された生態系の崩壊が現実化する中,ASPO第5回大会で演説したデニス・メドウズは、人類は「すでに行き過ぎてしまった」と結論しています。下記にメドウズの発言を抄訳で紹介します。

●現代文明が必ず崩壊するとは言えないが,崩壊を避けるのは非常に困難だ。
●代替エネルギー源がアブラの減耗を相殺する早さで生産される可能性は全くない。一方で世界の人口は急上昇中だ。世界は、発展ではなく,超過と崩壊によって地球の限界に適応するだろう。
●崩壊の徴候はそこらじゅうにある。天然資源の劣化,環境汚染、頻繁で猛烈な自然災害、政治不安の増大、債務負担の増加,エネルギー源確保のために要求される資源需要の増加。一人当たりのGNPという重要な指標を見れば,50カ国以上で、すでに、下降が始まっている。
●人類はたくさんのピークに直面しており,石油もその一つ。肥沃な土地、地下水、森林ストックなども減少している。これらの問題に取り組もうとしても,政府には手に負えないだろう。
●予想されていたことだが、オイル・ピークを含め,物理的な限界を批判するものたちは、しぶしぶとではあるが、否定することをやめ,条件つきの受理へと変遷を遂げている。批判的な人間は、まず、『心配はいらない、限界なんかない』という。ピークについても、アブラが有限であることを直観的に退ける。
●人々はピークのもたらす影響を心配し始めているが、政治制度は本質的にピークに反応することができない。現行の政治システムや市場メカニズムは、これらの状況では機能しないからだ。
●ピーク以降、状況が好転するまでどん底を通過しないとならないが、政治は選挙から選挙へと短いサイクルで運営されるため,短期窮乏を強いらなければならないような事態を扱う能力はない。
●崩壊が起こるのはこのような理由からだ。崩壊を避けるためにしなければならないことには手が付けられないだろう。持続可能な発展は可能ではあるが、実現にはほど遠く,手遅れになるだろう。

メドウズのピークに対する考え方はチェンジ・エージェントに詳しく紹介されています。
(14/8/6)

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