Monday, August 14, 2006

左うでの夢/left-handed dream.

なんぼかちゃくちゃねえ。
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うちではたいてい、朝ご飯のあと,皿洗いをします。一日一回。毎食ごとに洗うより,水の使用量が少なくてすむし,湯気で曇った流しの上の窓から,裏手のブッシュを眺め,今日は何をやろうか,一日の予定を考えるのにちょうどいいからです。今日は天気がよさそうだから,これを終えたら一服し,外で焚き付けにする枯れ枝集めかな。あそこの柵の補修もやってなかったな。風が強い日は,洗濯日和。なので、早速,洗濯に取りかかります。鉛色の空、雨が降っていれば、これ幸いの読書日和。読みかけの本に戻ります。

うちの皿洗いの流儀は2つの流しに栓をして,お湯をはり,一つに洗剤を入れ,もう一つですすぐというパターンです。お湯は60度くらいなのでゴム手袋をはめます。今日も早速,なんて,ゴム手袋をはめたら,右手の方に小さな穴があいてます。あらあら。これは困ったぞ。買い置きはあるかな。と見ると,未使用のゴム手袋が束になってます。ほいほい,これはいいぞ。中に一つくらい,右手用(大)があるのではないか。期待は無惨に裏切られます。右手用は5つ,あるにはありますが,すべてサイズが(小)ばかりです。(大)は5つありますが,すべてが左手用です。ふむ。なぜ,(小)は右手ばかり,(大)は左手用ばかりなのでしょう。

男女,性別によるものでしょうか。背景となる洗い物文化の差なのでしょうか。それとも、もっとほかに深遠な理由があるのでしょうか。

なんぼかちゃくちゃねえ。

ゴム手袋をいくつも床の上に広げて思案顔でいると、「ばかねえ、私は左利き,あんたは右利き、単にその違いでしょ」と通りかかった相棒。

「じゃあ,スポンジとかブラシとか左手で使うんだ」とおばかな私は、右手用(小)に無理矢理,右手を押し込むか、それとも左手用(大)を無理矢理右手にはめるかだな、なんて短期的解決策を考えながら聞き返します。
「当たり前じゃん」。

はやぐとろげでえ。

今朝は封を切ってない(大)が一つあり、とりあえずは、どちらの策も試さなくてすみましたが,新しいパッケージから右手用をはめ,あらさて、左手(大)はこれで6つ、たまってしまったぞ。これ、どうしよう。あんまり他人に尋ねたことはありませんが,どうしているんでしょう。それぞれ、利き手でない側のゴム手袋をどう処理しているのだろうか。皿洗いをしながら考えます。

中期的な解決策としては、これから新しいのを買うとき、サイズを(中)で統一する。そういうことも考えられます。長期的には、対ではなくバラ売りするようメーカーに働きかける、なんてことも可能です。右利きの人口が多いんで,需要は右手用が圧倒的になり,営利目的の企業にはあまりありがた味はなさそう。

なんて,いろいろ考えた末,とりあえず,しばらくの間,洗い物をする時は左利きになることにしました。洗い物を左でやれば、ゴム手袋のアンバランスが改善されるのではないか。そう思って,さっそく左手にスポンジやたわしを持ち変えることにしました。フットボールの選手はたいてい右でも左でもボールを蹴れるし,クリケットや野球の選手には両刀使いがいる。自分自身でも、整体師かなんかの助言を入れて,もう10数年前から、ピュータのマウスを使うのは左です。右うでが手首から二の腕三の腕、肩にかけて上がらないようになってしまったからで、最初はぎこちなかったけど,今は十分,右と遜色なく操作できる。

だから、たかが洗い物くらい。なんて思ったら、これが意外に大変です。これまで皿洗いをやったことのない手に、右うでのような活躍はすぐには期待しませんが,ぎこちないったらありゃしない。じれったくなって,右が手を出そうとするのをきつく押さえ,左手は修業中。さっさとこなせるようになるにはまだ、当分時間がかかりそう。皿とか、何枚も割るだろうなあ。

左手で洗い物を始めると,台所のデザインが右利き用にできていることがよくわかります。作業の流れ、シンクの配置だとかも左利きには使いにくい。にわか左利きは得意そうに「これって,とても使いにくいデザインだよね」と相棒に言います。「そんなことも知らなかったの?」と、これだから右利きは困るってな顔。はいはい、これからは、もっと理解するようにします。

なんぼかちゃくちゃねえ。
はやぐとろげでえ。
(14/8/6)

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