Wednesday, November 22, 2006

山頂にて/world oil production in November.

世界の石油生産の現状を示す数字が米エネルギー省のEIAから発表されました。それをオイルドラムのケバブがグラフにまとめています。
PU200611_Fig3_small-1.png

オイルドラムより)

高原状態なのか頭打ちと言うのか,通常原油(原油とコンデンセートをあわせた数字)の生産は昨年12月にくらべ1億バレルほど低下しています(一番グレーな部分)。それより,ちょっと薄いグレーが天然ガスをあわせたものです。一番薄いグレーは、その他のタールサンドやオリノコ原油やエタノールなどをあわせた数字です。これらの数字はちょこっと伸びていますが,これらはエネルギー収支が高く(したがって経費もかかり)通常原油や天然ガスの減耗を緩和することはできるかもしれませんが,穴埋めにはなりません。

グラフにはいろいろな人の予測が重ねられていますが,一番現実に近いのは薄緑色の線です。これは2003年にアリ・サムサム・バクティアリが予想したものです。これらの予想の中では一番古いもので2002年のデータに基づきながら,これまでのところ、一番正確です。バクティアリについては下記のエントリーを参照ください。

ハッピー・オイル・ピーク・デイ!?/Happy Oil Peak Day!?

ピーク以後の生き方/what solution?

余剰能力はもうどこにもない/no spare capacity

いっちゃん能天気なのが紫色の線です。どこまでも右肩あがりの上昇線を描いていて、ため息が出そうになります。これは日本のマスコミでもしばしば引用されるケンブリッジ・エナジー・リサーチ・アソシエーツ(CERA)のものです。設立者のダニエル・ヤーギンはピューリツァー賞を受賞した人かも知れませんが,すでにこんだけはずれていたら,信用しますか?しかも,これが2006年の予想ですよ。

誰の言うことが現実に近いのか,そして,現在という瞬間が歴史的にどこにいるのか,このグラフは如実に示しています。明日は昨日までのように右肩あがりにはいきません。自分の生活がどれだけ石油に頼っているのか、まず足下から見直してください。他人事じゃないんだから。

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