Wednesday, March 15, 2006

ガマグチヨタカ/tawny frogmouth.


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うちには時々珍しい客がやってきます。

醸造したビールを瓶詰めし、残り滓に小麦粉を混ぜパンを焼き、次のビールの仕込みをし。なんて午後、ふと、ベランダのほうを見るともなしに目をやると、見たこともない鳥が手すりに止まってます。大きさは40センチくらい、全体に茶色がかった鳥です。

調べてみると、トーニー・フロッグマウスという鳥でした。日本語の辞書をあたるとガマグチヨタカ。ガマグチってのはフロッグマウスの直訳のようですが、口がカエルに似ていることからこう呼ばれるそうです。このあたりにもかなり普通にいる鳥ですが、これほど近くで見るのは初めてです。


ヨタカといっても鷹の一種ではありませんが夜行性です。しばしば、形態や習性からふくろうの一種だと思わるようですが、実はカワセミに近いんだそうで、そう言われれば、なるほど、体つきなどワライカワセミなどに似ていないこともありません。

蜥蜴や蛇、ネズミなど目掛け、止まった木の枝から音もたてずに急降下攻撃をかけるんだそうです。ワライカワセミと蛇の格闘は目にしたことがありますが、蛇が地面をしゅらしゅらしているところへ、頭上から鋭い嘴が突然音もなく急降下してきたらたまりません。この時は蛇がかなりのサイズだったんで最初の一撃をしのぎ、その後30分ほどもにらみ合ってましたが、たいていは一撃で勝負あり。

手すりに止まったガマグチヨタカ本人はすっかりカモフラージュされている気分で、うつらうつらしています。近寄っても、見えないだろうと思っているのか、あんまり慌てません。たしかに、これが茶色いユーカリの木などなら保護色になり、カモフラージュになるのでしょうが、緑にペイントされたうちのベランダの手すりの上では、すっかり周囲から浮き上がっていることも気がつかないようです。

かなり、普通に分布している鳥のようですが、この近辺に10年以上暮らすうちの相棒もこんなに近くで見るのは初めてだと言って、ベランダの見える自分の部屋からバードウォッチング。

偶然なのかも知れませんが、ガマグチヨタカがうろつくようになったのは、たぶん、うちで飼う動物の数が増えたこととも関連がありそうな気がします。鶏やアヒルがこぼすエサを目当てにネズミが増え、そのネズミを目当てに蛇やふくろう、ガマグチヨタカなどが増える。そんな関連があるんじゃないか。「風が吹けば桶屋がもうかる」式に生態系は常に変動するものなのです。

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