オーストラリア農業資源経済局(ABARE)から6月四半期の鋼業統計が発表された。
(統計全文はこちらから購入可能。要約はこちら)
オーストラリアはOECD(先進国)の中では数少ないエネルギーのネット輸出国ではあるが、その大半は石炭(世界一)と天然ガス(世界第5位)であり、石油に関しては,ずっと輸入に頼っている。
aspo-australiaより
70年代にバス海峡油田の生産が始まったおかげで石油危機の影響はあまり受けなかったが,そのバス海峡油田が85年にピークに到達,それからは規模の小さな油田が減耗の穴を埋めてきたが、それもままならなくなり,いよいよ2000年3月を境に大減耗が続いている。
www.peakoil.org.auより
今期の生産は3月期よりわずかに上昇したものの,ピークに比べると半分以下。
ピークはわずか6年前の話だ。
EIAより
オーストラリアで特に心配されるのはディーゼル燃料。外貨を稼ぎ出す農業、鋼業のトラックやトラクターなどを稼働させる血液であり,トラック輸送に頼る物流もディーゼルなしでは成り立たない。その44.9%は輸入に頼っている。経済成長率が何パーセントだと自慢したところで,ディーゼル供給に依存する足下はお寒い限りだ。
こうしてかつての産油国が輸入国になり、数少ない産油国、数少ない油田への依存がどんどん高まっていく。サウジアラビア、世界最大のガワール油田に世界中が依存している。ここがこけたら皆こけるのは避けられない。その前に,世界は果たして,アブラそのものに頼らない社会に脱却することができるか。オーストラリアは需要との差をとりあえず輸入で賄うことができるが,世界全体がピークに達した時,それを代替えする燃料もなければ,その差を補う「どこか」は存在しない。
2 comments:
gas-to-liquid
coal-to-liquid
bioethanol
どれを選択するかですね。当面は。
豪州国内ではどういう議論が多いのでしょうか?
石炭が多いことからctl、そして、サトウキビ製造農家の間ではエタノール、そして西オーストラリアの天然ガス業者の間ではgtl。それぞれの短期的な思惑がらみで議論が進んでます。
Post a Comment