「パーマカルチャー」って言葉、聞いたことがありますか?日本でもかなり知られるようになってきたので、耳にしたことがあるかもしれません。でも、耳にしたことがある人でも、それがお金や経済とどう関係するのか、理解できない人もいるかもしれません。
パーマカルチャーはオーストラリアで70年代にビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンの二人によって体系化された考え方で、そもそもはパーマネント(永続的)とアグリカルチャー(農業)という単語を組み合わせた造語です。1978年に出版された『パーマカルチャー・ワン』で二人はパーマカルチャーは次のように定義しています。
「動物と多年生植物を人間が利用するために組み合わせた、常に進化するシステム」
これは単年生の野菜や穀物の生産を中心に、数少ない作物の栽培と販売に特化する近代的な農業へのアンチテーゼであり、食料の生産を自然の中に見られるパターンを参考にデザインし、組み合わせていくことに主眼がおかれていました。たしかに、日本でも果物農家を除けば、たいていの農家は単年生の作物を育て、しかも「キャベツ」農家、「レタス」農家、「リンゴ」農家などのように特化しています。また、家畜農家は飼料はよそから買い入れ、植物の栽培と切り離されたシステムを営んでいることがほとんどです。今の農業は自然に見られるパターンからほど遠い形で営まれており、これでは永続きしないでしょう。パーマカルチャーは、人間が経済的な効率を追求するあまり、ばらばらに切り離してしまった要素を自然に見られるようにつなぎあわせ、それぞれの関係性を再構築することを提唱しました。