Sunday, October 29, 2006

濃縮ウラン弾?/the sick wind blows.

イスラエル軍がレバノン戦でアメリカ製のバンカーバスターや燐弾を使用したことは自ら認めているが,中東専門家のロバート・フィスクはインディペンデント紙(28日付け)で,ウランを使用した新型爆弾を使った疑いがあることを報じている。

フィスクによれば,イスラエル軍が使用したのは,いわゆる「劣化」ウラン弾ではなく、より放射能の強い「濃縮」ウランを何らかの形で使用した新型兵器ではないかと見られている。

欧州議会の設置した「欧州放射線リスク委員会(ECRR)」のクリス・バズビー博士の報告書は、レバノン南部のKhiamとAt-Tiriにイスラエルの爆撃でできた2カ所のクレーターから採取した土壌サンプルから、ウラン同位体の集積が確認されたとしている。同位体比は108で「濃縮」ウランの存在を示しているそうだ。

バズビー博士らは「濃縮ウラン」弾の可能性として,小さな核分裂装置を伴う実験兵器,もしくは劣化ウランの代わりに濃縮ウランを使用したバンカーバスターではないかと報告している。

イスラエルのハアレツ紙(28日付け)は外務省スポークスマンの言葉を引用し,「イスラエルは国際法に合致する合法的な兵器,弾薬を使用している」と言っているが、これはフィスクが指摘する通り、まったく答えになっていない。以前にも取り上げたが、DIMEなど、国際法に制約される前の新型爆弾であれば,やりたい放題やっても「合法」だからだ。ガザで使用されたDIME同様、どこでこの新型爆弾が開発され,イスラエル軍はどんな経路でそれを手に入れたのか,気になるところだ。レバノンも、誰かがどこかで開発した新型兵器の実験に使われたのかもしれない。

ガザでもレバノンでも、イスラエル軍は国境の向こうであれば、非武装の民間人であろうが、実験のターゲットにすることをまったく厭わないが,Khiamは国境の向こうと言っても、わずか2マイル(3.2キロ)ほどだ。放射能を帯びたほこりや塵は、風向き次第で,簡単に自国領へも到達する。「濃縮ウラン」兵器の使用が事実とすれば,イスラエル軍は自国民の健康すら気にかけていないことになる。「ならず者国家」の国民は国境のこっちにいても、ちっとも安心することはできない。

No comments: