農水省のウエッブに原文はまだ上がっていないようなので、ネット報道からの判断になりますが、食料自給率の向上を目指すと言う結論は当然としても、「バイオ燃料向け需要」がなぜ増大しているのか、あまり、踏み込んでいないようです。
産經新聞にいたってはレスター・ブラウンの「人類は穀物を燃料に使うか、食糧に使うかを争う時代に入った」という言説を紹介しながらも、バイオ燃料の需要増大が「温暖化対策」の一環であるかのように報道しています。
それが「代替燃料」によるしわ寄せであることを指摘するのは読売です。
ガソリンの代替燃料として需要が増しているバイオエタノールの原料となるトウモロコシなどの需要増などで、深刻な影響を受ける可能性があると白書は指摘した
「ん!」「持続可能な社会を目指して」「バイオマス燃料情報局」などのブログを読んでいる人はすでに先刻ご承知だと思いますが、バイオ燃料への穀物振り向けはとりもなおさず、オイル・ピークが原因です。
当ブログでもバイオ燃料の矛盾についてはこちらですこし、書きました。
報道によれば、白書は食料の外国からの輸入依存は、生産地における気象異変などで安定供給がおぼつかなくなる恐れを指摘しています。
オーストラリアは日本に食料を輸出する数少ない国で、経済連携協定(EPA)もしばしば俎上に上がっていますが、すでにこの国は「千年来の干ばつ」という気象異変にとっ捕まったままで、自国で食べるものを輸入しなければならない状態にあります。気象変動はすでに現実であり、日本に輸出することなど、とてもかなわなくなるかもしれません。
よその国から食物という形で水やエネルギーを収奪する形の暮らし方はとても脆弱で、長続きするわけがありません。白書は自給率の向上を呼びかけていますが、自分の食べる物は自分で作る、それが人間としての基本であることをあらためて思い起こし、さあ、新緑の季節(北半球)、ベランダや庭、共同菜園などに出て、野菜の種を撒きませんか。
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