中国の渤海湾で見つかった油田が話題になっています。
中国石油天然ガス集団(CNPC)の3日付けの発表によれば、油田は「冀東南堡油田」と名付けられたそうですが、埋蔵量に関しては30億という報道もあれば、75億バレルという報道もあります。大きな差がありますが、まあ、5億バレル以上の埋蔵量を持つ油田が「大油田」と呼ばれていますから、どちらにしてもこの新油田の規模は相当なものです。
石油漬け社会にとってこの油田の発見は「朗報」ではありますが、埋蔵量の見積もりが正しいにしても、これだけのアブラ、全部が採掘可能なわけではありません。実際に可採できる量は発表されている数字より、ずっと小さくなります。アブラの質については発表されていませんが、重質ならば精製がたいへんです。油田の場所は「近海」ということですが、採掘に必要なエネルギー収支も考慮しなければなりません。
そして、まあ、「今世紀最大」とはいうものの、それがどのくらいの規模かというと、仮に発表された埋蔵量全部が採掘されたにしても、現在、全世界の消費量の1ヶ月半から3ヶ月分をまかなうにすぎません。「今世紀最大」の油田にしても所詮この程度のもので、石油にどっぷりと浸かったコンビニ文明を維持していくためには、この規模の油田が毎月毎月、じゃかすかと見つからないと、とても心配になります。
No comments:
Post a Comment