Saturday, December 22, 2007

冬は厳しく/winter is hard.

鴨はあまりたくさんはいなかった。
母鴨がパンかごをさかさまにした。
鴨たちはグワッグワッと鳴いて不満そうに見えた。
水は黒かった そしてまもなく凍った。

冬は厳しかった、冬は厳しかった。
お金も銀行の中で凍った。
土曜の夕べの楽しみも
隔週にしかなかった。
アウリス・サリネン(訳:大束省三)

北半球では冬至(ということはつまり,南半球では夏至)の今日,「原油価格高騰」のおかげで寒冷地で灯油券の支給が始まったというニュースを読みました。先日「原油価格高騰」のおかげで小学校の給食の日数が2日減らされることになったというニュースもありました。フィンランド生まれの作曲家じゃありませんが、冬は厳しく、です。

報道は「原油高騰」の理由が何なのかはっきりと言わず,地震や台風と同じように、あたかも一過性のことでもあるかのような扱いです。「原油高騰」が ピークのおかげだとはっきり言及するところはありません。来年になれば,事態は好転し,これまでのように安いアブラをじゃんじゃん燃やして暖をとることができる。のでしょうか。

現在の「原油高騰」が一過性のものでなく,長期的なアブラ減耗時代の始まりであるとすれば,灯油券を配ったり、子供たちの給食の日数を二日減らすとか、そんなことでは追いつきません。長期的な対応が必要になります。「緊急事態」はこれから、いつまでもだらだらと続くとしたら、こんな策じゃ追いつきません。灯油券野必要な人の数は増え,子供たちの給食はもっともっと減らさなければならなくなるかもしれません。そんなことはありえないって?
通常原油の生産は未だに2005年に頂上を極めたまま,です。

アブラに首根っこをつかまれ、ズッポリな社会からアブラが抜けていくとき,最初に影響を受けるのは貧しい国や貧しい人たちです。日本(やアメリカ)のような「金持ち」の国でも弱い部分に向けて、影響が目に見える形で出始めたようです。

原油価格高騰のため、といえば,「いちご、トマト、花卉(かき)など農業用ハウスの暖房燃料などに重油を使用している農家約250戸を対象に、重油購入費を助成」という報道もあります。
個々の農家にとっては大変なことで同情します。しかし、(安い)アブラをじゃぶじゃぶつぎ込んで,季節外れなトマトやいちごをこれからも作っていくことはできるのか。長期的にみれば、ピーク以降の時代,こんな食料生産はとてもやっていけないのではないか。これまでが間違っていたんじゃないか。考えてみる機会だと思います。同様に,(安い)アブラにたよる海外からの食料調達も考えてみるべきでしょう。日本は食料の6割を海外からの輸入に依存しています。これがいつまで続けられるのでしょう。

農水省はクジラ屠殺に税金をつぎ込むより,国民の食を確保するためにやらなければならないことがあるはずです。

冬は厳しく。
いよいよ寒さが厳しくなるかと思われますが,皆様,健康には気をつけてください。

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