南島最大の都会、人口約40万のクライストチャーチで22日の昼時、12時51分、マグニチュード6.3の地震があり、これまでに判明しているだけで65人が死亡、多数のけが人が出た。市内の病院の収容能力をはるかに超えるけが人に、重傷者は北島のオークランドに空輸されている。
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まだ「100人以上」ががれきの中に閉じ込められているという報道もあり、富山出身の語学学校に通う日本人12人が行方不明という情報もある。
ジョン・キー首相は午後、被災地に入り、「我が国最悪の日を目の当たりにしているのかもしれない」と発言した。今日の被害を上回る自然災害は北島のネイピアで256人の死者を出した1931年のマグニチュード7.9の地震だけだ。
市内の道路には亀裂が入り、建物は崩れ、市の中心にある大聖堂の尖塔が折れ、空港も閉鎖された。停電、断水、下水管やガス管の破裂など、町のインフラはずたずたになり、家を失った人など何百人が避難所で夜を明かしている。市当局は節水を呼びかけるとともに、バケツや鍋を外に出し、今夜予想される雨を貯めるよう呼びかけている。市内は非常事態が宣言され、警官、軍隊が投入され治安の維持にあたる一方、対岸のニューサウスウエールズ州からも73人の捜索員が到着、行方不明者の捜索が続いている。
クライストチャーチでは去年9月4日にマグニチュード7.1の地震があったが、震源が10キロと深く、町の中心から30キロほど離れていたため、被害総額は40億ドルに上ったが、大けがをした人が2人だけで死者はなかった。その時に比べ今日の地震は規模は小さいものの、震源が町の中心部から南西に10キロほどの港町、リトルトンの真下だったこと、また、震源が5キロ程度と浅かったこと、地震が起きたのが昼時だったことで被害が大きくなった。去年の地震で建物がもろくなっていたことも考えられる。今日の地震の被害は去年のそれを大きく上回るだろう。
ニュージーランドは「揺れる島々」というあだ名もあるが、太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界にまたがっており、年平均14000回ほどの地震がある。そのうちマグニチュード5を越すものが20ほどある。今回の地震は首都ウェリントンで近いうちに大きな地震がある予兆ではないかと心配する専門家もいる。
クライストチャーチはまだ余震で揺れている。
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