Monday, July 17, 2006

冬は厳しく/winter is hard.

北半球はかなり暖かめなようですが、うちの近辺、今年は例年にない寒さで、7月にはいり、ちらほら、はるのようなポかポかな日もありますが、まだまだ冬はこれからが本番です。朝、鶏を小屋から出し、エサを与えに出ると、一面、雪でも降ったかのように白一色、霜のおりる朝もあります。


この寒さのためか、6月は、ほとんど卵を生みませんでした。買ってこようか、なんて相談するくらいの「卵危機」が6週間近くも続きました。卵なんて、そうそう食べなくても大丈夫ですが、うちで食べるパスタの主要原料は卵なので、それがちょっとつらい。そういう経験を何度かしたので、卵の生産シーズンには、パスタを作る時に余分に作って、ため置きしているのですが、気がついてみると、在庫はほとんどなし。あらあら。「卵危機」が「パスタ危機」に発展。

近所で鶏を買う隣人や友人たちのところでも状況は似たようなもので、会えば、「うちの鶏が最後に卵を生んでからもう何週間になる」、そんな話ばかり。この時期、草も枯れてしまい、緑が不足しているからだろうと聞けば、近所の八百屋に出かけ、野菜屑をもらってきたり、トウモロコシが効くと聞けば、早速与えてみたり。でも、あんまり効果はないようで、どうしようか、なんていっているうち、人間の思惑とは関係なくまたまた、鶏は卵を生み始めます。日照時間の関係なのでしょうか。「卵危機」の収束とともに、パスタの備蓄も数週間分に増え、「パスタ危機」もとりあえず収まりました。

現在、うちには烏骨鶏やアラカノ、バーナベルダーの3種を中心に、25羽近い鶏がいます。うちへきてから6年近くになるバーナベルダーは,さすがに,あんまり,たくさんは産みませんが,それでも、時々,思い出したように濃い茶色の卵を産みます。そうかと思えば,昨春うちで孵化したアラカノもいて、ようやくぼちぼち青い卵を生み始めています。

庭で鶏を飼う人はかなりいますが、これが雄鶏となると話は別で、かなり限られてしまいます。「雄鶏はうるさくって飼えない」という人もいます。昔は自分でもそう思ったりしましたが,それは卵や鶏のコストであり、それを払わずに、いいとこ取りしようてのは、虫がよすぎるかも知れない。そう思うようになり,それまでの夜型から雄鶏に起こされる朝型に生活も変わってしまいました。だって、こいつらがいないと、寿命がきた鶏のかわりは買いにでもいかないとならないでしょ。そして、野菜や植物と同じように、店で手に入る鶏は「卵をたくさん生む改良品種」がほとんど。鶏なんて、どれだって同じ、大きな卵をできるだけたくさん、しかも安上がりで生んでくれりゃいい。これでは多様性も失われてしまいます。

だから,今朝も、懸命に朝日を手繰り寄せようとする雄鶏の声とともに目覚めました。うちの近所にはかなりの数の雄鶏がいるようで、鳴声があちらからこちらへと、冬の朝、まだ暗いうちから響き渡ります。でもなあ、うちの雄鶏の鳴き声が一番多いぞ。定員は種族ごとに1羽で3羽なのに,現在は6羽。こちらも、ぼちぼち、なんとかしないとなあ。

(ところで「冬は厳しく」ってのはクロノス・カルテットの作品で、アーヴォ・ペルトの「フラットレス」をやったり、シュニトケやジョン・ゾーンの作品があったり、冬も底の時期になるとよく聞くアルバムです。んなこと思ってたら、そのゾーンの曲で太田裕美が朗読するテキストを書いたレックのバンド、フリクションが久々に7月18日、渋谷クワトロで演奏するそうです。フリクションはずっと大好きで、セカンドアルバムの「スキンディープ」は,未だに時々聞いては、はい,ニューセンセーション、しっかり刺激されます。何人もパンク野郎やロッカー、ミュージシャンに会ったことあるけど,レックほどかっこいいのもあんまりいない。東京にいたら、何をおいても駆けつけることでしょう。)

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