「2015年以降,簡単に手に入れられるアブラやガスの供給は需要を満たしていくことができないだろう」
「これ以上市場に出せるアブラがあんまりなければ,できないことをやれってのは難しいじゃないか」
これはどちらもピーク論者の発言ではない。
ひとつめはシェルの最高経営責任者,イェルーン・ヴァン・デル・ヴェールが1月22日付けですべての社員に向けた社内メッセージの中の一文。
「シェルのエネルギーシナリオ」というタイトルの文章は二つのシナリオを検討している。ひとつは「駆け込み」であり,もう一つは「青写真」。駆け込みシナリオはそれぞれの国がエネルギーを巡る競争を繰り広げ,温暖化を悪化させ,国と国が対立するシナリオ。「青写真」のほうは、国際的な炭素取引が設立され,国際協調のもとでエネルギー問題に取り組むというもの。この二つのシナリオについては 19日付、ダボスでの世界経済フォーラムでのインタビューという形でニュー・ヨーク・タイムズでも報道されている。
メジャーの一角を占めるアブラ会社のトップが2015年までにピークが訪れることを認めている。
ふたつめはちょいと古くなるが,16日付,アメリカのABC放送のインタビューで、サウジ訪問について聞かれたブッシュ米大統領の発言だ。
サウジの国王になんとかしてくれと言ったのか,と問われ,これ以上のアブラがないってのに,ない袖を振れって言っても仕方がないじゃないか。
公式には認めていないが大統領はピークをご存知のはずで,こんな形で潜在意識がぽろりと顔を出す。
今月のこの二つの発言だけを見ても,世界の経済のトップ,政治のトップはピークを認識している。
気候ゲテモノ化同様,ピークがくるかこないかなどと議論する段階は既に超えており、政府、自治体、企業,そしてひとりひとりが社会や生活から積極的、急速にアブラを抜いてかないと大変なことになる。
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