TPPについて、相変わらず真空状態の中にでもいるかのような視点から、ああでもないこうでもないって意見が大量に垂れ流されていて、びっくりしてしまいます。
そういう汚濁の中に、自分たちが呼吸する時代がどんな時代であるのか、びしっと見据えた意見もあります。
そしてTPPで騒ぐマスコミが知らん振りをしているのは、ピークオイルの問題である。
国 際エネルギー機関はこの2010年11月に、「世界の原油生産は2006年にピーク(増産の限界点)を越したと見られる」と発表した。もう経済成長はあり えないのだ。今後は原油生産の低減で、工業経済はガス欠状態に陥り、徐々に収縮していくだろう。貿易を支える海運も、燃料の高騰で採算がきつくなる。ピー クオイルの厳然たる事実は、今世紀はエネルギーと食料の危機の世紀であること、そして人類の未来は長期的には農業中心の地域共同体にあることを示してい る。
この危機は、中国などですでに表面化してきている。TPPどころではない。われわれは手遅れにならないうちに、文明の転換のための作業を始め なければならない。・・・そうした方向転換を中央の政府には期待しない方がいい。おそらくそうした転換は地方の、地域の人々の草の根の動きとして始まり、 それが自治体を動かし、自治体が国を突き上げる形で始まるだろう。そこに日本の未来があることを、私は確信している。
これは農文協が年末に緊急出版したTPP反対の大義に収録される関曠野の文章です。これまでに言及しているように、これからも今のように石油をじゃぶじゃぶと使う暮らしを続けていけるのか、今のような世界貿易を続けていけるのか。そこまで踏み込んでTPPのようなことも、判断しなければなりません。
もうひとつ、TPP推進派は気にもかけないのか、あまり口にしませんが、以前ここでも言及した食品安全近代化法は1月4日に大統領が署名し、発効しました。
TPPに加盟すれば、日本の食品についても同様の基準が要求されるようになるのでしょうか。数年前に言及したNAISなんてのも導入しなければならなくなるかもしれません。
上で紹介した文章で、関はこうも言います。
「TPPに参加しないと日本は国際的に取り残される」と言う。
何から取り残されるのか。タイタニックに乗り遅れるのは結構なことだ。
「山頂2号」という名前は、90年代に一緒に遊んでいた大阪の茨木市にお住まいの「山頂1号」さんに倣いました。パーマン1号、2号ののり。今は「アオラキのカヌー」で海を見下ろす丘の上に暮らしてますが、当時は山の上に暮らしていたからです。 このサイト、基本的には別な媒体に書いた文章の保存が目的なので、図版やリンクなど不備があるかもしれません。まあSpiegel Im Spiegel(鏡の中の鏡)、いろいろ乱反射もある。ということでお許しを。
Thursday, January 20, 2011
銛/Like a harpoon in my heart.
その後、南氷洋で何が起きているのか、シーシェパードからもゲーケンからも発表がなく、(チョーサ捕鯨を金銭的に支援する)納税者は蚊帳の外なのですが、もうチョーサ捕鯨はやめよう、そのかわり日本近海で商業捕鯨を再開しようという記事が出ています。
日本の調査捕鯨の続行については、検討すべき時期だろう。残念ながら調査データに対する欧米の評価は低く、商業捕鯨の隠(かく)れ蓑(みの)と考えられて いる。また、捕獲した鯨肉は市場に持ち込まれるが、在庫が多いようだ。そろそろ調査捕鯨から撤退し、正々堂々と沿岸の商業捕鯨を再開すべき時期ではない か。国民が真に鯨肉を必要とするならば、国際批判にも耐えるだろう。ノルウェーは、国際捕鯨委員会に異議を申し立て、商業捕鯨を続けているのだ。むしろ商業捕鯨によって、クジラの需給を市場原理に任せれば、適正価格で鯨肉が売買されるとともに、調査捕鯨より捕獲数は減り、資源の保全につながる。沿岸捕鯨 は、日本の伝統である。南極海ではなく、地の利のある日本沿岸で、SSと戦うのである。
筆者は山田吉彦東海大教授です。まあ、いろいろ物議をかもす人物だそうで、引用した部分でも「地の利のある日本沿岸でSSと戦う」だとか、引用しなかったところも結構ハチャメチャです。アディ・ギル号と昭南丸の衝突を「自沈」と表現しているのは特にいただけません。
しかし、まあ、こういう人ですらもすでにチョーサ捕鯨は割にあわないと言っている、しかも掲載メディアが(愛国的な)産經新聞であることを考えると、チョーサを言い張るゲーケンや水産庁もこれから風当たりが強くなるのではないでしょうか。
Tuesday, January 18, 2011
ゴジラが出た/Harpoon fever
「ゴジラ」が出た。1月17日付けの朝日新聞です。
何事かと思えば16日に行われた大学入試センターの試験の日本史の問題で「ゴジラ」のポスターが出て、それに絡みで問題が出たということですね。まあ、それが受験生を悩ましたということでニュースになるのでしょうね。
南氷洋では別の「ゴジラ」が別の日本人を悩ませています。悩まされているのは日の丸「調査」捕鯨船団です(「調査」とかっこに入れるのはもちろん、こんなものは「調査」ではないという意味です。それが世界の常識です。捕鯨船団もその辺りを理解しているのか、船にはでっかくわざとらしく英語でRESEARCHと書いています)。
(ABCより転載)
南氷洋で暴れまわる「ゴジラ」は反捕鯨船団体、シーシェパードが昨年南氷洋で沈没した高速船アディ・ギル号に代わり、「妥協のない作戦」と呼ぶ今年の南氷洋反捕鯨戦線に投入した新鋭高速艦です。この船をローマ字式でgojiraと名付けたのは西オーストラリア州フリーマントルの市長のブラッド・ペティットです。シーシェパードの船団に加わるはじめてのオーストラリア船籍の船です。
(サンローレル号に急迫するゴジラ。シーシェパードのサイトより転載)
このゴジラが12日午後、、南緯62度43分西経178度33分の地点で、補給/給油船のパナマ船籍、サンローレル号を捕捉、シーシェパードによれば、「日本の捕鯨団に給油するつもりか」と訪ねたところ「たぶん」という返事が返ってきたそうです。
この知らせにシーシェパードの旗艦スティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号が現場に急行します。その2隻と追いつ追われつつしていた勇新丸2号と勇新丸3号がこれに続きます。
日本の捕鯨船団は本格的な「調査」捕鯨に入る前にシーシェパードに居所を探知されて、すべてが後手に回っている感がありますが、燃料補給船を抑えられてしまい、どんどん状況が厳しくなっています。
シーシェパードの発表によれば、今年のはじめに見つかって以来捕鯨船団はほとんど仕事になっていないのではないかということです。
14日付けのシーシェパードの発表によれば、サンローレル号は南緯60度以南の南極海にいたため、南極海での給油など、汚染の原因になりそうな活動を禁止する南極条約に違反するとゴジラの艦長から警告され、サンローレル号の艦長はそれに従い、北に移動しています。
(サンローレル号を「護衛」するシーシェパードの船団。シーシェパードのサイトより転載)
それを監視する目的でスティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号がサンローレル号に続いています。そしてそのあとを勇新丸2号と勇新丸と3号が追っています。シーシェパードによれば、12月4日に館山港を出港したとされるサンローレル号はまだまったく捕鯨船団に給油をしていないということです。兵糧断ちにすれば捕鯨はできなくなるという目論見で、シーシェパードはサンローレル号を徹底的に監視する作戦に入っています。もし、それでも燃料補給をしようとすれば、徹底的に間に入りの際、邪魔をする作戦でしょう。
かつてグリーンピースがゴムボートで燃料補給を阻止しようと間に入ろうとしたことがあります。その時、捕鯨船団は相手側が死んでもかまわないような危険なことまでやったんで、今回もしそのような事態になれば、犠牲者が出るかもしれません。
サンローレル号にシーシェパードが全力をそそいでいるおかげで、監視を逃れた勇新丸2号の銛でクジラがどんどん殺されていることは想像に難くありません。日新丸の巨大な船倉で解体作業が進んでいることで、シーシェパードのワトソン代表は歯ぎしりしているかもしれません。こういう事態になりかねないと、シーシェパードは、グリーンピースに同団体が保有する船の参加を呼びかけています。作戦や主義主張で違いがあるかもしれないが、もう一隻、船があれば、捕鯨船団を完璧に追いつめることができる、今年クジラを守るための最大のチャンスだ、小異を捨て大同につこう。自分たちと連絡を取り合う必要はない、南氷洋にその姿を表してくれるだけでいい。あと一隻、こちら側に船があれば、日本側の捕鯨を押さえ込むことができる。と呼びかけているのですが、グリーンピースからはこれまでのところ、なしのつぶて。まったく反応がありません。
もしかすると、サンローレル号はシーシェパードを日新丸から切り離すためのおとりであり、もう一隻、別な補給船が隠れている可能性もあります。「仕分け」を巧みに逃れ、予算がある鯨研だけにあり得ないことではないかもしれません。
シーシェパードの情報によると、15日には、補給船が追っ手を振り切ろうとするかのように嵐に突っ込んでいったそうです。タンカー、しかも積み荷でいっぱいのタンカーが荒い海へ突っ込んでいくってのは自殺行為というか、普通では考えられないことのようです。船体がぽきっと折れて重油がドブドブと海に流れてもへっちゃら、環境への配慮なんか二の次なのでしょうか。
南氷洋を無尽に駆ける「ゴジラ」、サンローレル号(と「護衛」のスティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号、そしてその尻を追いかける勇新丸と3号)を離れ、現在は日新丸の探索に出撃しています。これからも捕鯨船団を悩ましそうです。まあ、あんまり暴れ過ぎると、去年のアディ・ギル号のように真っ二つにされちゃうかもしれないので、気をつけた方がいいかもしれません。
何事かと思えば16日に行われた大学入試センターの試験の日本史の問題で「ゴジラ」のポスターが出て、それに絡みで問題が出たということですね。まあ、それが受験生を悩ましたということでニュースになるのでしょうね。
南氷洋では別の「ゴジラ」が別の日本人を悩ませています。悩まされているのは日の丸「調査」捕鯨船団です(「調査」とかっこに入れるのはもちろん、こんなものは「調査」ではないという意味です。それが世界の常識です。捕鯨船団もその辺りを理解しているのか、船にはでっかくわざとらしく英語でRESEARCHと書いています)。
(ABCより転載)
南氷洋で暴れまわる「ゴジラ」は反捕鯨船団体、シーシェパードが昨年南氷洋で沈没した高速船アディ・ギル号に代わり、「妥協のない作戦」と呼ぶ今年の南氷洋反捕鯨戦線に投入した新鋭高速艦です。この船をローマ字式でgojiraと名付けたのは西オーストラリア州フリーマントルの市長のブラッド・ペティットです。シーシェパードの船団に加わるはじめてのオーストラリア船籍の船です。
(サンローレル号に急迫するゴジラ。シーシェパードのサイトより転載)
このゴジラが12日午後、、南緯62度43分西経178度33分の地点で、補給/給油船のパナマ船籍、サンローレル号を捕捉、シーシェパードによれば、「日本の捕鯨団に給油するつもりか」と訪ねたところ「たぶん」という返事が返ってきたそうです。
この知らせにシーシェパードの旗艦スティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号が現場に急行します。その2隻と追いつ追われつつしていた勇新丸2号と勇新丸3号がこれに続きます。
日本の捕鯨船団は本格的な「調査」捕鯨に入る前にシーシェパードに居所を探知されて、すべてが後手に回っている感がありますが、燃料補給船を抑えられてしまい、どんどん状況が厳しくなっています。
シーシェパードの発表によれば、今年のはじめに見つかって以来捕鯨船団はほとんど仕事になっていないのではないかということです。
14日付けのシーシェパードの発表によれば、サンローレル号は南緯60度以南の南極海にいたため、南極海での給油など、汚染の原因になりそうな活動を禁止する南極条約に違反するとゴジラの艦長から警告され、サンローレル号の艦長はそれに従い、北に移動しています。
(サンローレル号を「護衛」するシーシェパードの船団。シーシェパードのサイトより転載)
それを監視する目的でスティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号がサンローレル号に続いています。そしてそのあとを勇新丸2号と勇新丸と3号が追っています。シーシェパードによれば、12月4日に館山港を出港したとされるサンローレル号はまだまったく捕鯨船団に給油をしていないということです。兵糧断ちにすれば捕鯨はできなくなるという目論見で、シーシェパードはサンローレル号を徹底的に監視する作戦に入っています。もし、それでも燃料補給をしようとすれば、徹底的に間に入りの際、邪魔をする作戦でしょう。
かつてグリーンピースがゴムボートで燃料補給を阻止しようと間に入ろうとしたことがあります。その時、捕鯨船団は相手側が死んでもかまわないような危険なことまでやったんで、今回もしそのような事態になれば、犠牲者が出るかもしれません。
サンローレル号にシーシェパードが全力をそそいでいるおかげで、監視を逃れた勇新丸2号の銛でクジラがどんどん殺されていることは想像に難くありません。日新丸の巨大な船倉で解体作業が進んでいることで、シーシェパードのワトソン代表は歯ぎしりしているかもしれません。こういう事態になりかねないと、シーシェパードは、グリーンピースに同団体が保有する船の参加を呼びかけています。作戦や主義主張で違いがあるかもしれないが、もう一隻、船があれば、捕鯨船団を完璧に追いつめることができる、今年クジラを守るための最大のチャンスだ、小異を捨て大同につこう。自分たちと連絡を取り合う必要はない、南氷洋にその姿を表してくれるだけでいい。あと一隻、こちら側に船があれば、日本側の捕鯨を押さえ込むことができる。と呼びかけているのですが、グリーンピースからはこれまでのところ、なしのつぶて。まったく反応がありません。
もしかすると、サンローレル号はシーシェパードを日新丸から切り離すためのおとりであり、もう一隻、別な補給船が隠れている可能性もあります。「仕分け」を巧みに逃れ、予算がある鯨研だけにあり得ないことではないかもしれません。
シーシェパードの情報によると、15日には、補給船が追っ手を振り切ろうとするかのように嵐に突っ込んでいったそうです。タンカー、しかも積み荷でいっぱいのタンカーが荒い海へ突っ込んでいくってのは自殺行為というか、普通では考えられないことのようです。船体がぽきっと折れて重油がドブドブと海に流れてもへっちゃら、環境への配慮なんか二の次なのでしょうか。
南氷洋を無尽に駆ける「ゴジラ」、サンローレル号(と「護衛」のスティーヴ・アーウィン号とボブ・バーカー号、そしてその尻を追いかける勇新丸と3号)を離れ、現在は日新丸の探索に出撃しています。これからも捕鯨船団を悩ましそうです。まあ、あんまり暴れ過ぎると、去年のアディ・ギル号のように真っ二つにされちゃうかもしれないので、気をつけた方がいいかもしれません。
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